私の黒歴史~競馬場にて⑦
競馬からの引退を決意した僕は、スッパリと足を洗い競馬場に近づくことはしなくなった。
捕まるのが怖かったからだ。
借金の返済も今完済することは諦めた。
粛々と金利だけを払い続け、きちんと大学を卒業し、社会人として働き始めてから完済することに方針転換した。
今あがいたとしても時間と労力を浪費し結局は返済できないだろうと思ったからだ。
全てのエネルギーと時間を卒業する為の単位取得に捧げることにした。
講義は単位につながり且つ取得しやすいものから優先的に選んだ。
その結果、法学以外の でも単位認定に組み込まれる講義が多くなった。
ちゃんと受けてみると意外と面白かった。
講義の内容をノートにまとめ理解しようと勉強した。
これらはテストではなく出席とレポートで判定された。
きちんと出席してレポートを提出すると単位は取ることが出来た。
だいたいが、優・良・可のうちの可が多かったがたまに良もあった。
しかし、この際 贅沢は言ってられなかった。
可だろうが何だろうが不可でさえなければ単位認定だ。ヨシとした。
教育学部系の講義では女性の参加者が多かった。
たくさんの色とりどりの華やかな女性の中に紛れて講義を受けるのは、内心楽しくもあった。
元来、人見知りで内向的な性格なのでお話しする機会はほぼ無かったが。
これが本当のキャンパスライフだ・・などと感じ入ったりした。
時たま、あー 7年前からこうしてればもっと賢い生き方ができてたのになぁ、とは思ったりしたが。
ともかく、何かの目標を持ってそこに進もうとしている時間は充実していた。
昨年、バイト先の先輩でこれまた何年も留年してる先輩が突如奮起し怒涛のまくりを見せてものすごい勢いで単位を取得し卒業していった。
僕はその人から革ジャンを譲り受けた。
縁起が良いのか悪いのか分からない革ジャンだったが、僕は大事にしていた。
そんな時、僕に一通の手紙が届いた。
僕を救い上げてくれる運命のヒトからの手紙だった。
卒業編 第1部へ続く