私の黒歴史~競馬場にて⑤
Uちゃんには中途半端に迷惑をかけてしまい何となく自然消滅した。
そして何となく競馬場には行きづらくなった。
そこで、ウインズ(場外馬券場)に行き始めた。
実に短絡的でアホだったんだな、と今は思う。
ウインズは競馬場と違って街のど真ん中にあった。
場外馬券場の中には、色んな生き方をしているのだろうオジサン達がいた。
みな競馬新聞を片手に、ワンカップなどを呑んだりしている。
タバコもそこら中で吸い放題である。
一本表通りにはおしゃれな店が立ち並ぶが、ここだけ異次元空間のようだった。
周辺にはおいしい食べ物屋さんも多かった。
たいていの時、競馬の予想を組立て馬券を購入すると、なぜだか僕は一仕事終えた気分になってしまうのだった。
そして、金もないくせに寿司屋などに入ってしまうのだ。
なぜなら、「どうせ競馬で持っていかれるならば、きちんと美味しいものを食べて楽しんだ方が得だ」という間違った思考回路に陥るからである。
おいおい、君はそもそも金が無いんですよ!とつっこみを入れたくなるところだが、既に100万円近い借金があると1千円はとても安いような錯覚した心理状態になっていたのだと思う。
そして、ここで僕は事件を引き起こしてしまったのだった。
馬券偽造事件を・・・。
第6部へ続く