私の歴史~卒業編④

部屋の中は冷え切っていたが、彼女がストーブをつけてくれた。

コタツになったテーブルに彼女と向かい合わせで座った。

こんな至近距離で彼女と向かい合うのはフェリー以来だ。

僕は少し緊張した。

 

お酒を呑みながら彼女と取り留めもない話をした。

彼女は旅の様子や彼女の感じたことを色々と話してくれた。

それを聞いて相槌を打っているのが楽しかった。

僕も普段になく饒舌だった。

ふいに静寂が訪れる時、彼女は「そうそう。」と下を向き頷きながら間を取り繕うようにつぶやいた。

そして、また新しい話を始めた。

 

 

第5部へ続く