私の歴史~卒業編⑩
夏のある暑い日、僕は家で連絡を待っていた。
ほどなく、連絡が来た。
今、最寄りの地下鉄駅についたらしい。
僕は迎えに行った。
駅に向かう道を歩いていくと、向こうからキャリーバッグを持った彼女が歩いてきた。
一瞬、お化粧をしてスカートをはいている女性が彼女なのか分からなかった。
彼女はニコッと笑うと、また素知らぬ顔に戻った。
そして、僕が何か言おうとするのを聞こえぬように歩き続け、僕が慌てて追いかけた。
下宿先のおばさんが怪訝そうな顔で見ているところに、適当に挨拶して部屋に上がった。
彼女が笑いながら言った。
何でもスカートをはくのは何年ぶりからしい。
白くて筋力がありそうな奇麗な足だった。